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連載企画『指名のウラガワ』
各業界で活躍するMOSHユーザーの皆さんにスポットライトを当て、
人気の秘訣とそのウラガワに迫ります。
フォトスタイリスト。文化服装学院スタイリスト科卒業後、某大手百貨店にて企画宣伝・専属でスタイリストを担当。その後フリーランススタイリストのアシスタントを経て独立。音楽関係・雑誌・TV・ステージ衣装・結婚式場など多業種のイメージスタイリングをつくる。イメージを引き出して、コンセプトを視覚から伝えるスタイリングを特徴とし、『潜在意識に呼びかける、何か気になるスタイリングフォト』をテーマに活動している。
洋服に食品、家具まで。満を持してフリーランススタイリストに
--今日はよろしくお願いします!中山さんは百貨店の専属スタイリストから独立したと伺いましたが、どのような流れがあったのでしょうか?
専門学校卒業後にデザイン会社に就職したのですが、そこでスタイリストとして担当になったのが某大手百貨店だったんです。そこで発信する広告媒体をすべて担当していました。
地下1階から8階まで、洋服に食品、家具まで。ありとあらゆる商品の、ポスター・カタログ・チラシ作成に携わるスタイリングを3年間経験し、フリーのスタイリストのもとでアシスタントを経て独立しました。
--スタイリストというと洋服スタイリングのイメージが強いのですが、対象が多岐にわたるんですね……!
そうですね。スタイリストという仕事も、洋服がベースにあって、そこからフードスタイリング、プロップスタイリング(※)へと、業界の専門性に合わせて細分化されていったんです。
私はキャリアのスタートが偶然にも百貨店だったため、洋服もフードもプロップも、総合スタイリストのような形でやっていました。
のちにアシスタントとして師事した方との出会いも、仕事つながりで紹介してもらったことがキッカケでしたね。
120%の自分のカラーで、仕事をブレンドさせる楽しさ
--デザイン会社を辞めてアシスタントしようと思ったのも、独立を考えてのことですか?
そうですね。もともと会社の中で仕事を続けるこだわりはなくて、フリーランスの方がいろんな世界を見ることができる、縛りもなく仕事の枠を超えていけるから楽しそうだとは思っていたんです。
師事していた方にも『そろそろ離れてもいい時期だね』と言われ、まさに時が来た、というかんじで独立しました(笑)
--時が来た(笑)スキルも経験も積んでの独立だったのですね。
会社のために仕事をするのもおもしろいですし、自分と会社のカラーが合致できればいいですが、でもフリーランスなら120%の自分のカラーで仕事ができるので。
いただいた仕事をどれくらい自分とブレンドさせられるか、そういった楽しみ方を見出していましたね。
仕事から離れたわたしを、引き戻した『好き』の気持ち
--その後スタイリストとして活躍されていますが、結婚を機にお仕事を離れたと伺いました。
そうですね。もともと結婚したタイミングで仕事を減らしていたのですが、それによって自分の勘が鈍ってしまったと感じて、それがすごく嫌で……。
クライアントはそこには気づいていないとはいえ、仕事を減らすよりも仕事を辞める方を選びました。
--まさにプロ意識を感じるエピソードです……!でもその後、どういった流れで復帰されたのですか?
とはいえ、洋服スタイリングの世界に戻りたい想いはなくて。「自分から仕事を離れたのだから二度と戻ってはいけない」と、どこかで思っていたのだと思います。
それに、子育てとともに離れている年数が重なればなるほど、世の中の流れに敏感になれず、取り残された感覚を感じて自信もなくし、いつの間にか体調を崩してしまって……。
--そこから何か動き出すキッカケがあったのですか?
『スタイリングが本当に好きだから大切にしたかったんだ』と、自分の気持ちに素直になれたから、ですね。
当時のわたしは『自分の好きなものって何?』『自分は何のために生きているの?』と模索していて。
そのタイミングで、知り合いのカメラマンで子犬や子猫を撮っている方に「スタイリングを手伝ってくれない?」と誘っていただいたんです。
スタイリングを通して、お互いの成長を応援したい
--動物のスタイリング、ですか?
動物たちの生活スタイルから考えたり、そのなかでどう切り取ったらかわいいか、ストーリーを考えて小物を配置した中に動物をポンとおいて撮るんです。
当初は趣味程度のはじまりでしたが、やってみるともうそれが楽しくて、嬉しくて。
--なるほど。その楽しさにまた触れられたのは大きいですね。
そうですね。撮影をしている時間は『スタイリングを作る』ということに夢中になれる、無になれる感覚なんですよね。
作りたいイメージを求めて、その場にいるメンバーがただそこに向かっている時間、空間の流れがものすごく好きなんだと気づかされました。
それに、辞めてからスタイリングのことを初めて話した友人が、スタイリングフォトを見て「この才能すごいよ!もっと知りたい人に教えてあげなよ!」と言ってくれて。
--当時の中山さんにとって、すごくうれしい言葉ですね。
自分の存在価値が認められた気がしましたね。
これをキッカケに前に進めましたし、『少し前のわたしと同じように感じている人の一助となれるかもしれない。スタイリングを通してお互いの成長を応援しあえることができるかもしれない』と思って。
こうして新しい仕事の仕方で、再始動することができました。
無限大に広がる、プロップスタイリングの可能性
--再びスタイリングの世界に戻ってこられて、その前後で仕事のスタイルにも何か変化はありましたか?
独立当時は洋服スタイリングでしたが、現在は小物を用いたプロップスタイリングをメインにしています。
はじめはプロップスタイリングを『小物を撮るだけだし興味ないかも』と思っていたのですが(笑)、洋服よりも想像以上にものすごくカラーを出せるんですよ。
--想像以上にカラーが出せるとは、スタイリングに具体的に違いが何かあるのですか?
洋服のスタイリングの場合、被写体自体がイメージを作ってくれるのでその雰囲気をどう切り取るか、時間を切り取るかなんですよね。
でも、小物になると無機質なので、自らイメージを作るなんてしてくれません。
だからこそ光の加減や色味の雰囲気、モノの配置や角度ひとつで全部表情が違ってくるので、すごく楽しいんです。
--たしかに、被写体自体がイメージを作るかどうかという視点は持っていなかったです……!
考えて、選んで、組み合わせて、配置する。その1つ1つの数が増えれば増えるほど、無限大に広がっていきますから。
無機質である小物からそれをどう伝えるか、写真として四角の中にどう収めてどう表現されるか考えることが、とてもおもしろいですね。
個人の時代だからこそ求められる、スタイリングレッスン
--プロップスタイリングまで多岐に経験されたなかで、学ぶこともすごく多そうです。
そうですね。百貨店時代にも総合スタイリストとしてやってきましたが、とにかく現場で独学で吸収していました。
じっくり見て、感じとって、やってみてを繰り返して。そうして試行錯誤を繰り返すなかで、自分自身のセオリーができていった感覚があります。
提供するサービスとしても、もともとは自分でスタイリングを考えて撮って作品を納品するスタイルでしたが、それに加えて今は経験をもとにテキスト作り、手法を教える『スタイリングレッスン』も行っています。
--なるほど!スタイリングレッスンはどういった経緯で生まれたのですか?
個人でストアを運営したり、そうした個人事業主の方からの依頼がすごく増えていくなかで、『個人の方でも自分ひとりでサクッと、スタイリングできれば楽だよな』とふと思ったことがきっかけでしたね。
教えてほしいという需要もあったので、実際にやってみたところお客さまもすごく喜んでくださって。
--たしかにグッズを出品したり個人ストアを持てるこの時代に、そのニーズはすごくありそうですね……!
いろんな業界にスタイリングを掛け合わせていくとまた、新しいスタイリングが生まれていくんだなと思って、わたし自身も楽しんでやっていますね。
同じモノを対象にしていても、自分じゃない人がやると全く違う表現になっておもしろいですし、わたしが提供するだけでは分からなかった違う楽しさが、今のよろこびになっています。
必要なものがこの世になければ、作ってでも持っていく
--そうして再びフリーランスとして再始動されて、苦労することもありましたか?
失敗ばかりしてたと思いますが、周りがすごく寛大で許してもらえていたと思います(笑)
わたし、本当に出会う人に恵まれているんですよ。その人たちに今の居場所に連れてきてもらっている気がします。
--中山さんのお話からもたくさんの方々の存在を感じます!そんななかでも、仕事で大切にしていることは何かありますか?
妥協しないことですね。その対峙している仕事に関して『わたしは絶対にやりきった!』と思うまでやっていると思います。
たとえばスタイリングを1パターン作るにも、あらゆる状況を考えて最低3パターンはアイデアを持っていきますね。
撮影のときなんてモノがなかったらアウトなので。万が一を想定して、何があっても対処できるように準備するので、荷物がものすごく多くなります(笑)
--その用意周到さからも、妥協しないこだわりを感じます……!
洋服のスタイリングをやっていた時も、イメージ通りのものを持って行くことにこだわっていて、自分の手で作ってでも染めてでも持って行きましたね。
打ち合わせの時はイメージで話をしているので、必要なそのモノ自体が世にない可能性もあるんですよ(笑)
それなら作り出すか、組み合わせでイメージ通りに見せるか。そう見えるまで、形になるまで妥協しませんね。
わたしがいなくても、ひとりで走れる姿を見届ける
--仕事に妥協しないからこその信頼を感じます。こうしてお仕事をしていくなかで、やりがいを感じることは何ですか?
そうですね。スタイリングで関わった人や会社に、それがきっかけで新しい視点が生まれたり、新しい自分を発見したり、つながりができたり……。
お互いがほんのちょっとずつ、大きくなれていると実感することに、やりがいを感じます。
--お互いがほんのちょっとずつ大きくなる、ってすごく素敵です。
伝えているのはスタイリングという小さなものですが、その時間にいつもお互いに発見があるんですよね。
人それぞれですが、みなさんスタイリングに対してスッキリしない部分があるからこそ、仕事としてわたしに声をかけてくれているわけですよね。
その抱いていたモヤモヤや疑問が解消されて、変化することで、わたしがいなくてもひとりで走っていける。そんな姿を見るのが好きなんです。
異なる視点が重なり、同じゴールに向かっていく
--言葉にはできないモヤモヤが晴れるのは、見ていても気持ちいですよね。
例えば企業の方が、自社の商品撮りをするときに、その人にしかわからない好きという気持ちや想いがあるんですよね。
それがビジュアルなのか、生まれるまでのストーリーや背景なのか、些細な会話から『それならこう撮ったおもしろいよね』『こう組み合わせてみよう!』と作ることが多いんです。
--コミュニケーションのなかで気づいていくのですか?
そうですね。相手にも自分にも違う視点が生まれて、伝え方や発信の仕方にも迷わなくなったり、決断できるようになるんですよ。
物理的な視点も、内面的な視点も、いろんな角度から見ることで最終的にはお互いに重なって同じゴールを見ているのも、おもしろいところですね。
モノだけでなく、アイデアと才能を組み合わせたい
--最後の質問です。もしも世界にスタイリストという仕事がなかったら、中山さんはいま、何をしていたと思いますか?
この仕事しかしてこなかったので、どうなってたんですかね(笑)とはいえ、きっと何か枠に縛られない環境で、何かと何かを組み合わせていると思います。
スタイリングも仕上がるものとしては写真しか見せられませんが、作っている時は人と人の考え方やアイデアが組み合わされていますよね。
レッスンを始めてみたら、みんなに同じお題を渡しても相手の才能が組み合わさって変化するのも見ていて楽しいですし。一生ずっと、何かを組み合わせているんだろうなと思います(笑)
こうしていろんな業界にスタイリングが掛け合わさっていって、私発信のスタイリングがそれぞれのカタチで根付いていくことを想像すると、ワクワクしますね。
プロップスタイリングの可能性がそこにあった
その世界に捧げていく、中山さんの好きの気持ちと情熱が
これからも誰かの想いを形にしていくのだろう
中山さんのオフィシャルページはこちら!
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