「キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラーに興味を持っているけれど、具体的にどんな仕事なのかよくわからない」という人も多いかもしれません。
もしくは「キャリアコンサルタントの資格は取ったけれど、これからどうやって仕事につなげていけばいいのかわからない」という人もいるでしょう。
そのような人に向けて、この記事ではキャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー)に必要な資格や仕事内容、収入面、独立・開業するにはどうすればいいか、といったことについて解説していきます。
1 キャリアコンサルタントとは?
「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングによって個々人のキャリア支援を行う専門家です。
ハローワーク・若者自立支援機関、企業、教育機関など、幅広い分野で活躍しています。
また「キャリアコンサルタント」と似た言葉に「キャリアカウンセラー」もあります。
キャリアコンサルタントもキャリアカウンセラーも、キャリアの専門家であるという点では同じですが、持っている資格が違います。
キャリアカウンセラーを名乗る場合、資格は必要ありません。キャリア支援を行う人であれば、キャリアカウンセラーを名乗ることは自由です。
一方、キャリアコンサルタントを名乗るには、定められた試験を受けて資格を取得する必要があります。
キャリアコンサルタントは名称独占資格となっており、この資格を持っていない人は「キャリアコンサルタント」またはこれに似た紛らわしい名称を用いることができない決まりになっています。
つまり、キャリア支援を行う人を広くキャリアカウンセラーと呼び、その中でもキャリアコンサルタント資格をもつ人をキャリアコンサルタントと呼びます。
キャリアカウンセラーのなかにキャリアコンサルタントが含まれるイメージです。
1-1 キャリアコンサルタントの仕事内容
キャリアコンサルタントはどんな仕事をしているのでしょうか。
キャリアコンサルタントについて定められている職業能力開発促進法では「キャリアコンサルタントの名称を用いて、キャリアコンサルティングをおこなうことを業とする」とされています。
キャリアコンサルティングとは「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」とされており、面談を通して相談者の適正や能力・関心などを引き出すよう支援するのがキャリアコンサルタントの大きな役目です。
また、こうしたキャリアコンサルティングのほかに、グループコンサルティングを実施したり、キャリア教育における研修・セミナーを企画、運営したりすることなどもあります。
1-2 キャリアコンサルタントの収入
キャリアコンサルタントという仕事に興味を持ったとき、気になることの1つが収入面ではないでしょうか。
厚生労働省が2018年に行った『キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査』によると、キャリアコンサルタントの収入で一番多いのは「200〜400万円未満」となっています。
雇用形態別に見てみると、正社員では「400〜800万円以上」と幅広く、非正規社員では「400万円未満」が多くなっています。その他、フリー・自営およびボランティアでは「200万円未満」が多いという結果です。
このようにキャリアコンサルタントの収入は「組織に属しているか」「独立しているか」という働き方や、「正社員」「契約社員」という雇用形態などによって大きく異なります。
1-3 キャリアコンサルタントの活躍フィールド
キャリアコンサルタントとして働く場合、どのような場所があるのでしょうか。おもな活動の場を5つ挙げました。
- 学校
- 一般企業
- 人材派遣、人材紹介会社
- ハローワーク、自治体など公的機関
- 独立・開業、フリーランス
【学校】
小・中・高校や大学など各種教育機関にて、学生のキャリア支援を行います。大学のキャリアセンターでの勤務をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
就職活動の支援だけではなくキャリアをテーマにした授業・セミナーを開催するなど、教育の視点からキャリアを伝えることが役割になってきます。
【一般企業】
一般企業で勤める場合、人事部などに所属して社員に対してキャリアコンサルティングやキャリア研修などを実施します。
また最近では社内にキャリアコンサルティングを専門で行う機関(キャリアカウンセリング室など)を設置し、そこにキャリアコンサルタントを常駐させる企業も増えています。
【人材派遣・人材紹介会社】
派遣での就業や職業紹介を希望する方に対して希望条件などをヒアリングし、求職者と企業をマッチングさせることがおもな仕事です。
派遣会社の場合は、自社に登録している派遣スタッフに対してキャリアコンサルティングを実施する場合もあります。
ただしこうした企業でのポジションは「キャリアアドバイザー」と呼ばれることも多く、キャリアコンサルタントの資格がなくても仕事を行うことは可能です。
営業職に分類される仕事のため、キャリアコンサルタントの知識を活かして営業職に就きたいと考える方に向いています。
【ハローワーク・自治体などの公的機関】
ハローワークや自治体に常駐し、訪れる方に対して支援を行います。ジョブカフェ、地域の引きこもり支援センターなどもあります。
中高年者や女性、若年者、障害者など様々な方に対して幅広く支援を行うことが多いのが特徴です。
キャリアコンサルティングだけではなく、勉強会やセミナーの企画などを展開することもあります。
【個人でサービスを提供】
組織に属するのではなく、キャリアコンサルタントとして自分だけのサービスを作って提供することもできます。
独立開業してキャリアコンサルタントを専門にやっていくこともできますし、会社員をやりながら副業としてサービスを展開することも可能です。
2 キャリアコンサルタントに必要な資格は?
先ほど「キャリアコンサルタント」を名乗るには資格が必要だと紹介しました。ここでは、資格の取得方法について説明していきます。
2-1 必要な資格
キャリアコンサルタントと名乗るには、国家資格である「キャリアコンサルタント資格」が必要です。
この資格を取得するには、国家試験を受けて合格した後に専門機関に登録をしなければなりません。また、資格の有効期間は5年間と決められているため、5年ごとに更新が必要となります。
2-2 資格の取得方法
では、具体的にどうやって資格を取得すればいいのでしょうか。
こちらの4つの流れに沿って解説していきます。
- 受験資格
- キャリアコンサルタント試験
- 登録
- 更新
【受験資格】
キャリアコンサルタント試験を受けるには、次のいずれかの要件を満たしている必要があります。
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する者
これまでキャリア支援に関わる経験を持っている人は、その経験が上記の要件にあてはまるかを確認するとよいでしょう。
そうした経験がない人は、1つ目の「厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者」という要件を満たす必要があります。
講習は「キャリアコンサルタント養成講座」と呼ばれ、厚生労働省が認定した機関が実施しています。
養成講座の開催期間は3ヶ月程度で、通信教育とスクーリングで学びます。
開催日程や場所は各機関によって違いますので、自分が学びやすい機関を探してみましょう。
【キャリアコンサルタント試験】
受験資格を満たしたあとは、試験を受けて合格する必要があります。
試験は「特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」と「特定非営利活動法人日本キャリア開発協会」という2つの機関がそれぞれ実施しています。
どちらの機関も年3回ずつ試験がありますので、自分の都合に合わせて選択し、受験します。
試験内容は学科、実技試験(論述・面接)となっており、各項目が基準点に達した場合に試験合格となります。
直近の試験の合格率は50%前後で推移しており、比較的合格しやすい試験といえるかもしれません。
受験にあたっては以下のとおり費用が必要ですので、事前準備を忘れないようにしましょう。
▼受験費用(税込) ※2022年4月15日現在
学科試験:8,900円
実技試験(論述・面接):29,900円
【登録】
キャリアコンサルタント試験に合格しただけではキャリアコンサルタントにはなれません。
厚生労働省が管轄するキャリアコンサルタント名簿への登録をもって、はじめてキャリアコンサルタントを名乗ることができます。
登録は特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会内に設置したキャリアコンサルタント登録センターが行いますので、こちらに対して登録の申請をします。
登録には以下の費用がかかります。
▼受験費用(税込) ※2022年4月15日現在
登録免許税:9,000円(収入印紙)
登録手数料:8,000 円(非課税)
【更新】
キャリアコンサルタント資格には5年間の有効期限があり、継続するためには更新手続きが必要です。
更新を受けるためには、更新講習と呼ばれる講習を修了していなければなりません。
更新講習は知識講習8時間以上、技能講習30時間以上と決められており、資格の有効期限を迎えるまでに計画的に受講を進めていきます。
更新手続きには以下の費用がかかります。
▼更新費用 ※2022年4月15日現在
更新手数料:8,000円(非課税)
3 キャリアコンサルタントになるには?
キャリアコンサルタント資格を取得したあとは、具体的にどのように活動すればいいのでしょう。いくつか例を紹介します。
3-1 企業や学校に勤める
小・中・高校や大学などでキャリア教育に関わったり、企業の人事部などに所属して社員に対してキャリア支援を行ったりします。
組織に所属するため、収入面の見通しが立てやすいところがメリットの1つです。
3-2 独立・開業する
キャリアコンサルタントとして独立、開業する方法もあります。
個人事業主として活動する場合は開業届を出す必要があり、お住まいの地域の税務署に書類を提出します。
開業届を出すと毎年確定申告が必要になりますが、青色申告を利用することによって節税効果も期待できます。
青色申告を希望する場合は開業届と別に青色申告承認申請書の届出が必要ですので、手続きの際には注意してください。
▼白色申告と青色申告
白色申告 | 青色申告 (10万円控除) |
青色申告 (最大65万円控除) |
|
届出 | 必要なし | 必要 (開業届と青色申告承認書) |
必要 (開業届と青色申告承認申請書) |
記帳方法 | 単式簿記 | 単式簿記 | 複式簿記 |
提出書類 | 確定申告書B
収支内訳書 |
確定申告書B
青色申告決算書 |
確定申告書B
青色申告決算書 貸借対照表 |
節税効果 | × | 〇
(10万円控除) |
〇
(最大65万円控除) |
引用:freee「青色申告と開業届の基礎知識!青色申告のメリットと白色申告との違い」
3-3 副業でも!
キャリアコンサルタントとして仕事をしたいと思ったとき、いきなり転職や独立を目指すのはハードルが高いと感じる人も多いかもしれません。
そういう場合は、今の仕事を続けたまま副業でキャリアコンサルタントの活動をスタートさせ、軌道に乗ってきたら本業にしていくという方法もあります。
最近はオンラインで簡単に自分のサービスを提供できるプラットフォームも増えていますので、初心者の方はそちらを利用するのがおすすめです。
たとえば「MOSH」なら、登録後すぐに自分のサービスページを作って公開することが可能です。
詳しくはこのあとの「5 MOSHでキャリアコンサルティングを始めよう」でご紹介していますので、そちらもご覧くださいね。
4 キャリアコンサルタントとして独立・開業するには?
ここでは、キャリアコンサルタントとして独立・開業したいと思ったときに必要なことについてまとめました。
すでに独立・開業を考えている人はもちろん、今すぐではないけれど将来的にやってみたいと考えている人など、ぜひ参考にしてくださいね。
4-1 場所を決める
キャリアコンサルティングを提供する場所を決めましょう。
まずは、オフラインとオンラインのどちらで実施するのかを考えていくとよいかもしれません。
顧客のニーズを考えるのは当然ながら、自分はどちらのスタイルのほうが得意かも含めて検討しましょう。
【部屋を借りる(または自宅)】
オフラインで実施する場合、スペースの確保が必要になります。
専用の部屋を借りるといつでも自由に使用できますが、固定費がかかるというデメリットがあります。
初期の資金繰りに不安がある場合は、あまりおすすめではありません。
【レンタルスペース・カフェの活用】
キャリアコンサルティングの予定に合わせてレンタルスペースを借りたり、カフェで実施したりする方法もあります。
予定が入ったときに必要な分だけ費用が発生するので、最初の段階では取り入れやすいでしょう。
公民館など公的施設であれば安価または無償で借りられる場合もあるので、探してみるのもいいかもしれません。
カフェの場合は飲食代以外の費用がかからないのが魅力です。
その反面、周りに他のお客さんがいることも多いので、プライバシーの配慮には注意が必要です。
【オンラインコンサルティングという方法も】
オンラインであれば、お互いに自宅や好きな場所から参加できるため気軽にキャリアコンサルティングが実施できます。
日本全国、世界中の人を顧客にできるので、オフラインと比べてアプローチできる幅が広がるのもメリットの1つです。
Zoomなどのツールを使えば簡単に始めることができ、初期費用がかからないところも安心できるポイントですね。
4-2 集客・告知をする
実施場所を決めたら、集客・告知をしてたくさんの人に自分のサービスを知ってもらいましょう。
ここでは代表的な集客・告知の方法についてご紹介します。
【SNS】
費用をかけずに多くの人にアプローチできるのが、Twitter、Instagram、LINE、noteなどのSNSで発信する方法です。
誰でも簡単に始めることができ、拡散力も高いことが特徴です。
また自分の発信を見たうえで「この人に話を聞いてほしい」と申し込みをしてくれるため、キャリアコンサルティングにおける信頼関係の構築がスムーズに進むというメリットもあります。
【ホームページ】
専用のホームページを立ち上げて集客する方法です。
無料のホームページ作成サービスを利用してもいいですし、自分でドメインを取得して作ることもできます。
ホームページがあることで顧客に対して安心感を与えることができる一方、作成に時間と費用コストがかかってしまいます。
また、検索上位にならないと顧客の目にとまらないことから、ホームページのみでの集客は最初の段階では難しいかもしれません。
SNSやフリーペーパーなど他の方法と組み合わせて使うほうがおすすめです。
【フリーペーパー】
自分が住んでいる近くの地域の人を対象にするのであれば、地域のフリーペーパーに掲載したり、チラシをポスティングしたりする方法もあります。
チラシのデザインや印刷、ポスティングなど費用と時間がかかるため、自分の予算を踏まえて検討するとよいでしょう。
【スキルシェアサービスの活用も】
最近は自分の得意なことを個人間で売り買いできるようなプラットフォームが増えているので、そちらを利用するのも1つの方法です。
登録が簡単で誰でもすぐに始められること、見てくれる人が多いので集客につながりやすいことがメリットです。
ただし手数料がやや高めであるため、最初の実績作りに留めるのがおすすめ。
スキルシェアサービスで実績を積み、その実績をもとにSNSやホームページなど自分で用意したサービスページに誘導できるようになるとよいですね。
4-3 ツールを導入をする
自分のサービスを提供するとなると、予約管理や決済など様々な対応が必要になります。
それらのシステムを一から自分で準備するのは大変なので、ここではツールを使ったサービス提供について紹介していきます。
【予約・決済ツール】
自分のサービスに興味を持ってくれた人に申し込んでもらうためのツールです。申し込み後に予約が確定し、サービス料金の決済を行います。
予約を受け付けるにはいくつかの方法があります。
たとえばSNSのDMやメールで連絡をもらったり、ホームページにお申込みフォームを設置したりすることが考えられます。
決済についても個人で簡単に決済サービスを導入できるツールがあるので、そうしたツールを利用するのがおすすめです。
しかし、このように予約と決済でバラバラのツールを使ってしまうと、管理の手間が増えてしまうというデメリットがあります。
そうしたときに便利なのが、予約も決済も同時に管理ができる「MOSH」。
機能や費用については次の見出しで詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【配信ツール】
オンラインでキャリアコンサルティングをするのであれば、Zoomのようなオンライン配信ツールを使用することになります。
Zoomは無料で使用することができ、登録も簡単に行えることがメリットです。
5 MOSHでキャリアコンサルティングを始めよう
予約や決済を単体で利用できるツールはたくさんあるものの、それぞれ別のツールを利用していると管理が大変になってしまいます。
そんなときにおすすめなのが、「MOSH」です。
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キャリアコンサルタントの資格を取得したあとは、ぜひMOSHで自分がやりたいキャリアコンサルティングサービスを作ってみてくださいね。
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