クリエイター事例

3ヶ月予約待ち!人気パーソナルスタイリストが語る『お客さま視点』

個人の収益化を支援するHP作成サービス『MOSH』が運営する
MOSHマガジンで新連載企画がスタートしました!

その名も『指名のウラガワ』

各業界で多くの指名を得る
MOSHユーザーの皆さんにスポットライトを当て、
人気の秘訣とそのウラガワに迫ります。

荒木とき
大手アパレル会社に勤務したのちに結婚を機に独立、現在は明治神宮前で16タイプパーソナルカラー診断、骨格診断、16タイプ対応メイク、同行ショッピングをメインメニューとして提供するサロン『Aibis』を運営中。東京・名古屋・大阪を中心にパーソナルスタイリストとして活躍している。


※「16タイプカラーメソッド®」「16Types’Color Method®」は、株式会社ラピスの登録商標です。【商標登録番号】 第5619778号

アパレル出身、2児のママ。だから選んだ『雇われない』働き方。

--今日はよろしくお願いします!早速ですがときさんはどうして独立を選ばれたのでしょうか?

28歳でアパレルの仕事を辞めてから、30代前半まではパーソナルカラー(※1)の専門学校講師として働いていたんです。

ただ、そのあとに妊娠などを経験していくなかで『仕事って休めないものだな』と改めて思って……雇われる側であるのは主婦として厳しかったので、独立を選びました。

--『雇われる側だからこその厳しさ』という視点は新鮮ですね。

子どもが小さいときは熱が出たら仕事を断るしかないですし、手元にお金が残らなかったんですよね。子育てしながら個人事業主である大変さを実感しました。

独立したときは下の子がまだ幼稚園だったので、仕事も午前中に絞って同行ショッピングだけ。当時は利益にこだわらず、継続すること・やり続けることにこだわっていましたね。

--利益にこだわらず継続すること、ですか。

わたしの仕事はファッション領域ですから、トレンドを追わなければいけない、『しんどいな……』と億劫になったら終わってしまう気がして。特にショッピング同行はリピーターの方が多く、関係性を続けていくのが大事だと思ったんです。

子育てはコントロールできない部分が多いので、しんどくなったら家事代行の方にお願いしていました。それで利益分は全部溶かしていましたね(笑)

利益ゼロの5年間。目先にとらわれない、継続することへのこだわり。

--独立直後は『稼がなきゃ!』と考えがちだと思うのですが、ときさんはどうして『利益にこだわらない』と思えたのですか?

いま思えば『40歳になったとき、理想のスタイルになっていればいい』と考えて、30代は割り切ってましたね。妊娠中も『月10万円の利益出ればいいな』くらいの気持ちで、ジョギングレベルに捉えていました。

そもそも、わたし自身が時間を制限されるのが嫌なんですよ(笑)自分の決めた時間で、自分のやりたいことでお金が欲しかった。『理想の形がそのうち叶えられていればいいや!』と思っていたので、不安はなかったですね。

--それは勇気がいることですし、旦那さんも協力的だったのかなと思いました。

旦那さんはわたしが何をしているのかあまり知らなかったと思います(笑)自分のお金でやりくりしていたので何も言われなかったですし、骨格診断やメイクのスクールにも通ったりと、利益は全て自己投資に使っていました。

だから家庭のことを完璧にやって、利益はゼロ(笑)そういう時代は5年くらいありましたね。

--なんと5年も!ときさんが独立した頃は、主婦が働くとなるとパートが多い印象ですよね。

14年前でもパーソナルスタイリスト駆け出しの方がいて、ブログで見つけたんですよ。わたしも元々アパレルで働いていましたし、『パーソナルスタイリストは需要があるんだな』と思ってショッピング同行を始めました。

いまはスキルがあればどんなものでも仕事になる時代ですが、当時にしては早い気づきだったのかもしれませんね。

探究心とニーズを、すくい上げていく。

--ときさんは常にトレンドの先を押さえているように感じたのですが、その秘訣があれば教えていただきたいです。

サービスを提供しているなかで、お客さまに気づかされることがすごく多いですね。きちんと理論化したものじゃないとお客さまも満足しないんですよ。

たとえば4シーズン診断で結果がスプリングだからこの色が似合うと言っても、お客さまからは『もっと細かく知りたいのに!』というニーズを感じたんです。

だから、より詳細に分類した16タイプパーソナルカラー診断をやろう決めましたし、メインメニューにある骨格診断、導入を予定している顔タイプ診断も、お客さまを見てメニューが増えていった感覚ですね。

--細かく知りたいニーズとは、具体的にどんなことでしょうか?

パーソナルカラー診断は似合う色をご提案するのですが、カラーのイメージとその方の雰囲気とにズレがあれば迷うわけです。

たとえば、パーソナルカラー診断でパステルピンクが似合うとしても、顔立ちがクールな方で好きな服もボーイッシュだと違和感が生まれてしまいますよね。そのため今後は、顔タイプ診断の導入も予定しています。

--たしかに。好きな色や雰囲気はもちろん、どういう印象を与えたいかで選択肢も変わっていく気がします。

パーソナルカラーってどこかしら似合うから好きだと思っている、もともと好きな色だったりするんですよ。だからこそ追求するほど面白いものだと感じますね。

でも最近の若い子は、イメージコンサルティング系の診断がありすぎて、自分の『好き!』という感覚を見失っている気がします。『本当に似合ってるの?』という問いの答えをカラー診断や骨格診断の結果で答え合わせしたい、と。

でも、答えがズレていると悩んでしまうんですよね。そうして結果的に、パーソナルカラー診断ジプシーを生んでしまうんだなと思います……(笑)

お客さまの納得感第一。パーソナルカラージプシーを生まないために。

--ジプシー(笑)納得いく答えを求めて、他のお店に行ってしまうのですか?

そうですね。パーソナルカラー診断はサロンによって少し診断基準が違う場合がありますし、その時の診断がお客さまの思っているシーズンと違うと迷います。

そうして、納得感のないまま惑わされる知識や情報ばかり増えてしまう人が多くて。

だからわたしは、納得感を第一に考えて、いっぱいドレープを当てるようにしています。『本当に似合ってる!』という感覚を知ってもらえて、理解してもらえるようにしていますね。

--わたしもパーソナルカラー診断を受けたことがありますが、服よりメイクだとより複雑に感じますよね。

そうですね、パーソナルカラーは特にメイクに反映されますから。たとえ『くすんだ青色が似合う』と言っても、コスメのくすみ度合いはグラデーションがものすごく多くて判断が難しく、お客さまからの知りたいニーズが多いですね。

黒のマスカラが重くなったり、ラメが大粒だとバランス悪く見えたり。どんな色が合うのか、どんな目の形なのか、またそのメイクと服とのバランスはいいのか……。なので、大手百貨店のBA(ビューティーアドバイザー)だった方にメイクの方も任せたりと、メニューがお客さまに対応していくようになっていますね。

お客さまの『いるところ』にメニューが生まれる。

--お客さまに対応していくというのは、当たり前のようで難しいことですよね。

お客さまのニーズに触れているうちに『自分がしたいサービスとお客さまが欲しいサービスは違うんだな』と理解していきましたね。

最近だと遠方から来てくれるお客さま向けに、遠方でも診断が受けられるコスメシートの作成を進めています。わたしがメニューを作るのではなく、お客さまがいるところにメニューを作る感覚なんですよね。お客さまの探究心にたくさん教わっています。

--ときさんはアパレルで仕事をしていたときから、お客さまのニーズに合わせた接客を心掛けていたのですか?

当時は個人売り上げのノルマしか気にしていなかったです(笑)ブランド側にいると、お客さまに向き合った接客なんてできなくて。在庫を確認しては、キレイな状態で商品を残すことが求められていました。

だから、お客様の立場にたった接客がむずかしく、どうしても店の売上のための接客になっていました。

一方でショッピング同行だったら、個人ノルマはもちろんありません。自由でブランドとのしがらみもないですから、すごくやりがいがありました。

『なんでも若さで着こなせる!』なんて先入観。いつまでも、その人らしいステキさを作っていく。

--ときさんは『気分が上がる服』というテーマを掲げていますよね。サービスの軸になるテーマがなぜ生まれたのか教えていただきたいです。

独立したときは30・40代をターゲットにしていて、それはわたし自身がこれまで自分を鏡で見たときに、ピンポイントで老いを感じるタイミングだったからなんですよね。

でもおしゃれをして鏡の前に立ったときに『まだいけるかな!』と思えたんですよ。パジャマとキレイな服では全然違う、服とメイクが自分の心を底上げしてくれているんだなと実感したからこそ、『気分が上がる服』というテーマが生まれました。

--そのような実体験があったのですね。一方でお客さまの7割が20代だと伺ったのですが、ときさんのターゲット設定に変化があったのでしょうか?

そもそも20代って、それだけでかわいい無敵の時代なんですよ……(笑)
メニューも決して安いものではないですし『若い子はなんでも若さで着こなせる!』と思っていたんですよね。おばさんの感覚ですよね(笑)

それでも綺麗になりたい、自信をつけたいと思って来てくださるんです。サービスを受けて綺麗になることによって、帰り道には笑顔になっていただける。『受けてよかった!』と言ってもらえることに、一番のやりがいを感じていますね。

だからターゲット設定も20代まで広げることになり、おかげでSNSの影響もありました。とはいえ今後は客層に関しても、30・40代の枠を広げていきたいんですよね。

似合う色とメイク・服で女性は自信をもらえ、幸せまでもらえます。女性としてキレイでありたい、頑張っていきたいという想いを受けて、その人らしいステキさを作るお手伝いができればと思っています。

チャレンジして出会えた新しい世界と、誰かがキレイになる幸せ。

--ときさんが『いまの仕事で生きていこう』と新たなチャレンジをして良かったと思うことはありましたか?

人間関係の広がりができて、同業者も含めていろんな人と出会えたことですね。専業主婦の頃はママ友にも馴染めていなかったと感じますし、そこにしか世界がなかったら辛かったと思います。

--たしかに、他に場所がないと追い詰められちゃいますよね……。

その世界から飛び出したことで居場所がいっぱいできて、自由になった感覚はありますね。『お小遣いを稼げればいいや!』くらいの気持ちで起業したので『何があってもいいじゃん!』と気持ちも強くなりましたね。一本頼みは心もとないですし、旦那さんが失職しても大丈夫ですし(笑)

何より一番はお客さまが喜んでくれる、そのやりがいはすごく大きいです。納得感を持って、誰かがキレイになるお手伝いができていることが、チャレンジしてみて良かったことですね。

--世界も広がって、やりがいのある毎日は幸せですよね。そのなかでも苦労していることは何かありますか?

仕事量が物理的に増えてきて家のことできなかったり、子どもも思春期なのでそのフォローができないことですね。だからいま、サロン運営を任せたり、まさに働き方を抜本的に改善しなければいけないなと感じています。

しんどくなったら元も子もないですし、家庭も壊れてしまいかねないので。利益が減ったとしても楽を取って、その結果が継続につながり、利益になりますからね。

『自分のやりたいこと』を突き詰めて、お客さま視点を作っていく。

--いつでも先を見ている姿がかっこいいです!仕事で大切にしていることは何かありますか?

お客さまにできるだけ理解していただくことですね。お客さま自身が使いこなせるレベルまで理解してもらえるように、明確にきっちりと伝えています。

せっかく来てくださったのに「よく分からなかった」となるのは一番良くないと思うんですよね。中途半端に知ると知識で首を絞めて、左右されちゃうわけですから。

色に関しては、疑問が残らないようにできるだけ理解してもらえることで、「いままでで一番良く分かった」「しっくりきた」と言ってもらえるのが嬉しいですね。

--お話を伺っていて、ときさんは一貫して『継続すること』『お客さまのニーズをくみ取ること』を徹底しているように感じました。

ぜんぶ、お客さま起点でしたね。でも、気持ちが燃えるような『自分のやりたいこと』をやっていくと、気づいたらお客さま視点になっていたという感覚なんです。

『消費者視点を意識して!』と言われているうちは、できていないと思うんですよ。最初は自分のやりたいことを突き詰めて、自己満足でやっていったらお客さまのためになって、メニューが生まれていく。なのに、お客さまからヒントが出てくる前に諦めてしまう人は多いように感じますね。

--最後の質問です。もしも世界にパーソナルカラーがなかったら、ときさんはいま、何をしていたと思いますか?

婚活アドバイザーになっていたかもしれません(笑)いまの仕事にも通じる話ですが、婚活中だからキレイになりたいといらっしゃるお客さまも多いんですよね。

どちらにせよ時間の束縛が嫌だから雇われるのも嫌ですし、できることもないし、でも人の話を聞くのが好きなことは変わらないので。自分でコントロールできる範囲で、何か仕事を見つけていたとは思いますね。

叶えたい未来の姿を明確に、自分のやりたいことに向き合う。

シンプルに見えて、その努力を当たり前にできる強さとかっこよさ、
そんなときさんのウラガワに触れたように感じます。

これからも、ときさんの『お客さま視点』は、
たくさんのキレイと笑顔を作り出していくのでしょう。

荒木ときさんのオフィシャルページはこちら!
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