クリエイター事例

教育の当たり前をモンテッソーリに。モンテッソーリアン・絵本作家 北川真理子さんの「SNS時代の仕事の創り方」

モンテッソーリ教育にまつわる情報発信から、オンラインサロン・ショップの運営と幅広く活躍されているモンテッソーリアンであり絵本作家の北川真理子さん。

そんな北川さんがゼロから始められたSNSでの情報発信からどのように今の仕事へと繋げられたのか、そのプロセスをじっくりお伺いしてみました。

「個人で活動してみたい!」「自分の経験を活かして、仕事につなげて活躍したい!」そんな方はぜひ参考にしてみてくださいね。

北川真理子さんプロフィール

モンテッソーリアン / 絵本作家 国際モンテッソーリ協会 0-6歳ディプロマ 国際モンテッソーリ協会 認知症ケアワーカー 保育園/幼稚園などでの現場経験を経て、現在はモンテッソーリ教育に関する情報をInstagram、YouTubeなどで発信中の2児の子育てママ。 著書『いちばんていねいな はじめてのおうちモンテッソーリ』(KADOKAWA)、絵本『トイレでできた』、『かたづけできた 』(JMAM)
Instagramはこちら

 

きっかけは、大好きだった幼稚園の先生

―― そもそも、幼稚園教諭・保育士を目指されたきっかけはなんだったのでしょうか?

真理子さん:

実は、幼稚園の頃から「将来は幼稚園の先生になるんだ!」と決めきっていたんです。もはや思い込んでいた、という感じですね(笑)。

というのも、その当時の幼稚園の先生が本当に大好きで…。ご近所さんだったこともあって、家族ぐるみのお付き合いをしていたんです。

幼稚園の先生になると決めてから気持ちが変わることも一切なく、学生の時も「これは幼稚園の先生になったら役立つだろうな」なんてことばかりを考えていました。

そのまま保育科のある短大へと進学し、気がついたらあっという間に幼稚園の先生になっていました。

―― モンテッソーリ教育との最初の出会いはいつだったんでしょうか?

真理子さん:

中学生の時のお友達がモンテッソーリ教育を受けて育った子で、「こんな幼児教育の方法もあるんだよ」と教えてくれたのが、最初にモンテッソーリ教育を知ったきっかけです。

写真などを見せてもらうちに、面白そうだなと段々と興味が湧いてきて。

モンテッソーリ教育を取り入れた保育園を最初の就職先に選んだのも、それが背景としてありますね。

叱らずとも、子どもは尊重できる。モンテッソーリ教育の深い魅力

真理子さん:

ところが、実際に入ってみるとそこまでモンテッソーリ教育にコミットした園ではなかったんです。モンテッソーリの有資格者もおらず、教具が少しだけあるぐらいで。

その園では、毎週土曜日にモンテッソーリ有資格者の先生による研修があったので受講していたのですが、学べば学ぶほどモンテッソーリ教育の奥の深さや、学ぶことの多さに気付かされて、「このままじゃ私一生モンテッソーリ教育のことについて知れない」「週1ペースでは足りない」と思い知らされたんです。

―― それだけ、モンテッソーリ教育の魅力にはまっていったんですね。 モンテッソーリ教育と従来の幼児教育では、大きく違うところがたくさんありそうです。

真理子さん:

そうですね。

幼児教育といえば、みんなで同じことをする、みんなで同じものを工作するなどの「一斉保育」がより一般的だと思うのですが、モンテッソーリ教育では「個別保育」を重視しています。

乳幼児期は同じ年齢でも生まれた月によっては全く発達が異なるので、「みんなで一緒」ではなく、「乳幼児期こそ個を尊重する」というのが大まかな方針なんです。

2年間大学で勉強して、自信を持って保育士になったつもりだったのに、実際に現場で子どもと関わってみるとうまくいかず、壁にぶつかることが多くて…。

そんなときに、毎週土曜日に受けている研修の先生へ相談すると、子どものことを尊重しつつもしっかり改善へと導いてくれるような、ストンと腑に落ちるアドバイスを毎回もらえたんです。

例えば、床をドンドン蹴ってしまう子に悩んでいたとき、「音が出たり、蹴ることが楽しいと感じているかもしれないから、他に音が出るものや蹴ってもいいものを渡してみては?」というアドバイスをもらったので実際に試してみたところ、すんなりうまくいったりとか。

叱らずに、でも子どものやりたいことや個性も尊重できる。これが私の子どもとの関わりの中ででやりたいことなんだ、と気づいた瞬間でもありましたね。

不安や迷いもあったのですが、何よりも「もっと知りたい」「全てを知りたい」という気持ちが抑えきれなくなり、モンテッソーリ教育の国際資格を取得できる東京国際モンテッソーリ教師トレーニングセンターへと通うことを決心しました。

自分の知識や経験で助かる人がいるはず。妊娠期間中、ゼロから始めたSNS

―― 真理子さんは、Instagramのフォロワーが6万人を超えるなど、精力的な発信活動が印象的ですが、いつからInstagramを始められたのでしょうか。

真理子さん:

卒業後、本格的なモンテッソーリ教育の園で6年働いたのちに、学童や放課後デイケアなどモンテッソーリから少し離れた時期もありました。
でもどこへ行っても子どもの自然な発達を見守るモンテッソーリ教育の本質が一番だと思い、自分のモンテッソーリ園を立ち上げるために、保育現場で働く傍ら大学に通い直していたんです。

その矢先に妊娠をしたのですが、つわりが本当に大変で…。仕事を辞めざるを得なくなってしまって。

それから人生初の「子どもと関わらない生活」がスタートし、心にぽっかりと穴が空いたような、少し鬱々とした状態が続きました。

そんな折、夫から「Instagramで情報発信を始めてみたら?」と言われたんです。

「子どものことで頭の中がいっぱいだし、その知識や経験で助かる人がいっぱいいるんじゃないか」と。

その言葉をきっかけに、新しく0からアカウントを作成してInstagram投稿を始めてみました。

それからは試行錯誤の連続でしたね。

「モンテッソーリ教育の専門用語はわかりづらいので、一切使わないようにする」、「誰に向けた投稿なのか、ターゲット層を具体化してみる」など…。

どの投稿がどれぐらい「いいね」やフォロワーが伸びたのか、逆にどんな投稿が伸び悩んだか、などを細かく分析したシートも作っていましたね。

項目としては「投稿時間」や「いいね数」「コメント数」「フォロワーの伸び」「保存数」などで、どんなトピックにニーズがあるのかどの投稿時間がベストなのかなど、この分析シートのおかげで見えてきたことはたくさんあります!

北川さんが実際に使用されていた分析シート

―― すごい…! モンテッソーリ園に勤められた経験をもとに投稿をされていたと思いますが、投稿ネタはやはり尽きることはないですか?

真理子さん:

そうですね、尽きることはなかったです。

情報発信を始めてからは、日常生活がネタの宝庫のようになりました。

ショッピングモールや、病院、飛行機の中まで…。ふとしたときに見かける親御さんの子どもへの関わり方や困っている様子からヒントを得たりとか。

そんな感じで、アンテナを張るようになるのでどんどんネタができていくんです。

一つひとつのアウトプットにこだわることで、仕事に厚みが生まれる

―― 発信する際に特に意識されていることはありますか?

真理子さん:

そうですね…。

フォローしてくださる方は、「私」に興味があるのではなく「モンテッソーリ教育の情報」に関心があるのだ、ということは常に意識して投稿をしています。

なので、基本的なこととしては、アカウントのテーマとは関係のない情報は流さないように気をつけています。

また、発信者として「本当のモンテッソーリ教育の情報」をお届けしたいので、フォロワーさんへ誤ったスタンスを発信することがないよう、企業さんから受けるお仕事においても、活動の信念に反するものはお引き受けしないようにしています。

―― 企業さんからのお仕事、という話も少しありましたが、やはり個人での活動やお仕事が増えていったのもInstagramからでしょうか?

真理子さん:

まさにInstagramから、ですね。

発信を始めて4ヶ月も経たないうちにフォロワーが1万人を超え、一年を過ぎる頃には企業さんからのお問い合わせや、フォロワーさんからのご相談などがぐっと増えてきたんです。

その頃には、全てのコメントにはお答えできなくなっていたので、インスタライブ限定で質問にお答えしたり、ご相談に乗ったりなどしていくうちに、オンラインサロンを開設する運びとなったりと、発信力がつくとともに個人での活動が広がっていきました

今では、ご自宅でモンテッソーリ教育を取り入れたい親御様に向けて、モンテッソーリ教育の授業配信をしたり、お子様を見る力を養う「観察練習会」、お悩み相談などを行う、『子育ての学校』というサロンや、モンテッソーリ教育にまつわるグッズを販売する『コソダチショップ』というオンラインショップを運営しています。

働くパパママのための100%モンテッソーリ園を

―― 保育園・幼稚園勤務の頃から、働き方がガラッと変化しましたね!

真理子さん:

そうですね、でも今の私があるのは、現場での勤務経験があってこそだと思っています。

しかしながら、もう5年も園から離れてしまっているのでまた戻りたいなという気持ちがとても大きいです。

なので、情報発信の立場は続けつつ、子どもたちと密に関わっていく道を模索していて、今後は100%モンテッソーリ教育の園を作りたいと構想しています。

先ほどお話ししたように、以前も自分で園を立ち上げたいと思って勉強していましたが、当時と大きく違うのは「保育園を作りたい」という強い想いです。

私自身、出産を経て働くママとして活動を続けている中で、育児と仕事の両立がいかにハードなものなのか、ひしひしと実感して…。

それをきっかけに、働くお父さんお母さんが、子どもの教育を安心して任せられるような保育園を作りたいと思うようになったんです。

―― ご自身の経験を通して、さらにビジョンが明確になったんですね。 他にも今後の展望があれば、お聞かせください。

真理子さん:

最終的な目標として、幼児教育の当たり前をモンテッソーリにという野望があります。

現在も、幼稚園の教育要領や保育所の保育指針の一部は、モンテッソーリ的な「個や自立心の尊重」を取り入れつつありますが、これが進むことによって、大人・子ども双方にとってプラスに働くと考えています。

モンテッソーリ教育で育った子たちは自分一人で自律して動けるようになるので、一斉保育を行うよりも結果的に保育士さんの負担や忙しさを軽減できるんです。大人が手を出しすぎなくてもよくなる感じで。

実は子ども自身も「なんでも自分でやりたい」と思っていて、「自分でできた」という体験をとても嬉しく思うんです。

大人も楽だし、子供も「できた!」が嬉しい。 その点で考えると、モンテッソーリ教育は全員が幸せになれる保育環境を作れるヒントが詰まっているのでは、と思います。

なので、自分で園を立ち上げるだけでなく、モンテッソーリの考え方を取り入れていきたいという既存の幼稚園・保育園のコンサルなんかもできれば嬉しいですね。


「モンテッソーリ教育を日本に広めたい」という一心で積極的に情報発信を続けられ、今ではオンラインサービスの運営や絵本の出版など、多岐にわたって大活躍されている北川さん。

そんな北川さんも最初はゼロからのスタートであることが、本インタビューを通して伺い知ることができました。

誰もがみんな、最初は個人ブランド一年生。

自身のもつ「情熱」「経験」を仕事に繋げたい、そうお考えの方はぜひ北川さんのご活動の歩みを参考にしてみてくださいね。

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