ダンスや振り付けのレッスンを開催したい方に向けて、具体的なやり方をご紹介していきます。『これまでスタジオを借りて対面でのダンスレッスンを行っていたけれど、オンラインレッスンに移行がしたい』という方が今増えています。スマホひとつから始められるオンラインレッスンは、講師も受講者も気軽に行える点が魅力ですよね。
オンライン配信できる下準備が整ったら、ぜひチャレンジしてみましょう!
1 ダンス・振付のオンラインレッスンのメリット
ダンスや振り付けのレッスンを行う前に、対面ではなくオンラインでレッスンを行うことのメリットについて理解しておきましょう。メリットを活かしたレッスン作りをすることで、受講者にもオンラインレッスンの良さを感じてもらいやすくなります。
『対面ができない代わりに仕方がなくオンラインで』という気持ちで入った受講者にも、『オンラインで是非受けたい』という気持ちになってもらえるレッスンを作っていきましょう。
1-1 レッスンの録画が受け取れる
ダンスや振り付けのオンラインレッスンでは、録画記録が配布できる点が受講者から好評です。講師のレッスン姿を録画・保存しておきレッスン後に見ながら練習することができますし、自分の姿も録画できるため後でゆっくり見返すことができます。対面のレッスンでは踊っておしまいとなってしまう講座が多い中、オンラインレは復習ができるため充実度が高く感じるようです。
オンラインレッスンを始めてみて、もし受講者の需要が高いようであれば予習動画を作成して配布することも考えてみましょう。レッスンの録画と同じではなく、鏡バージョンやカウントをゆっくり取ったもの、音に合わせてアレンジしたり自由に動いたものなどがあると良いですね。
1-2 講師の姿が特等席で見られる
対面のレッスンでは、10人~30人程度で受講する講座が多いのではないでしょうか。その場合、最前列を取れなければうまく講師を見ることができなかったりしますよね。オンラインの場合はそういった心配がなく、常に最も良い特等席で講師の姿を追うことができます。
最前列を取ったとしても講師の真後ろだと後姿しか見えず、右横だと左の手の動きがわからず、といった具合に必ずどこかのアングルが弱くなってしまうものです。オンラインではそういったことがないよう、講師の方がカメラに向かっていい位置に動き、全ての動きをわかりやすく伝えられるよう工夫しましょう。
ダンスの種類によっては横に大きく移動するものもあるでしょう。そういったレッスンの場合は画角の広いカメラを取り入れるなどして対策します。
1-3 普段の練習環境のまま受けられる
受講者は、自宅で練習している場所のままオンラインレッスンが受けられることが大きなメリットです。レッスン後の復習も同じ環境でスムーズに行うことができます。リラックスして取り組めますし、着替えや靴などの持ち物について考えなくても良いです。シャワーが自宅ですぐ浴びられることもメリットですね。
1-4 画面共有で参考動画が見られる
ZOOMであれば、画面共有という仕組みを使って見せたい動画を流すことができます。例えば有名アーティストのミュージックビデオと同じ振り付けをしたいといった場合には、参考としてまず本物の動画を見せてイメージを掴んでもらいましょう。
これまでの対面レッスンでは曲だけを最初に流して雰囲気を感じてもらっていたと思います。もしくはスタジオで小さく集まり講師のPCから動画を見るといった形を取っていたのではないでしょうか。それよりも各個人のデバイスに大きく映すことができるため、非常に便利な方法です。
また、動画だけでなくPC上で資料のやりとりをすることも簡単です。『ダンスコンテストに出たい方はこの概要資料を読んできてください』というような場合にも、PDFを送信するだけなので簡単です。
2 ダンス・振付のオンラインレッスンのデメリット
ダンスや振り付けのオンラインレッスンは、メリットばかりではありません。デメリットについてもご紹介していきます。デメリットを理解し、なるべく受講者に感じさせないようレッスンを作っていきましょう。
2-1 同時に踊る・喋ることは難しい
講師の掛け声とともに受講者全員が一斉に踊り出す、といったような同時に何かをすることが難しいです。これが最大のデメリットと言って良いでしょう。
特別な通信設備と機材を揃えなければ、講師と受講者のタイムラグと受講者同士のタイムラグは避けられません。また、通信状況が悪い方は講師の動きと音にもタイムラグを感じるようです。例えば講師がカウントを取る声と動きが合っていないなどですね。その場合はある程度音のカウントを想像しながら動きを見てもらうことになります。
また、ZOOMなどでは1人ずつしか音を拾うことができません。多くの受講者が一斉に話してしまっても音声を拾うことができませんので、講師だけが話す形がスムーズです。受講者とのコミュニケーションは、質問の時間や雑談タイムなどを設けてメインの指導とは別で取るようにしましょう。
2-2 細かいニュアンスが見えにくい
受講者の画質と音質の程度によって、ニュアンスの伝わり方は変わります。繊細な感情を表現したり、表情やオーラのようなものも指導したいとなるとオンラインでは難しいかもしれません。
もちろん、レッスンの画像では伝わらなくても、『ここは悲しい気持ちを表現します』といったような指導をすること自体は可能です。レッスン時には口頭で説明しておき、レッスン後に画質の良い動画を配布する方法を取ると良いですね。YouTubeで限定動画をアップしておくと、受講者にはURLを教えるだけで特段ダウンロードなどもなくスムーズに確認してもらうことができます。
2-3 振動が気になる
受講者は自宅でレッスンを受けている場合がほとんどです。そのため、マンションやアパートではダンスによる振動が気になることもあるでしょう。激しい動きの振り付けがある場合にはレッスン前に注意喚起があると良いかもしれません。先に伝えておけば部屋を移動したりマットを引いたりといった工夫が受講者側で行えます。
講師の側では、平日夜遅くの時間帯のレッスンを避け、平日夕方や土日の昼間に行うなどの配慮を考えましょう。講師の都合もあると思いますので、レッスンを始めてみてから受講者の声を聞いて時間を調整しても良いですね。
3 ダンス・振付のオンラインレッスンのポイント
ダンスや振り付けのオンラインレッスンは、大きく分けて3つの形式があります。1つめは大人数視聴型のオンラインライブで、インスタライブやYouTubeライブなどが人気です。2つめは複数人向けのオンラインレッスンです。対面レッスンなどはこういったグループレッスンが最も一般的ではないでしょうか。最後に3つめは個人向けのオンラインレッスンです。エクササイズ要素の強いレッスンではパーソナルトレーニングと呼んだりしますね。
それぞれの形式の特徴に合わせて、レッスンのポイントをご紹介していきます。
3-1 大人数視聴型のオンラインライブ
オンラインレッスンはダンスの他にもフィットネスやヨガ、音楽や英会話など、様々なジャンルがありますよね。その中でもダンスは、このオンラインライブ形式のレッスンが多いジャンルなんです。
理由はおそらくタイムラグで、講師と受講者が同時に踊ることが難しいためでしょう。音楽ジャンルでも同時演奏はできないですが、受講者に演奏してもらい講師が聞いて指導するというプログラムが主流です。対してダンスレッスンの受講者は、カメラの前でテストを受けるように一人で踊るのには抵抗がある方が多いようです。初めて見た振り付けを教わった直後では、講師の踊っている姿を見ながらでないと踊れないですよね。
こういった背景があり、視聴型のライブに人気が集まっています。視聴型ライブであればオンラインで姿を映すのは講師のみで、受講者はそれを見ながら家で自由に踊ることができます。講師から踊りのチェックを受けることはできませんが、楽しく音に合わせて踊ることができるため満足度は高いです。
視聴型ライブは、その他のオンラインレッスンに比べて料金を安く設定していることが多いです。その分多くの受講者が一気に参加することができます。敷居の低さから、ダンス初心者の方が集まりやすいですね。視聴型ライブで新規の受講者を多く掴み、もっと深くレッスンが受けたいという方にはグループレッスンや個別レッスンに誘導すると良いでしょう。
視聴型ライブの内容は様々です。グループレッスンと同じように振り付けを教える形式を取っている方もいれば、自分や仲間との練習風景をただ映したり、トーク形式でプロの世界について話したり、座学のようにダンスや曲の解説をする方もいます。自分に合った視聴型ライブレッスンを考えてみてくださいね。
3-2 複数人向けのオンラインレッスン
一般的にイメージされるグループレッスンの形式です。受講者が楽しく音を感じながらダンスできるようにプログラムを考えていきます。
複数人向けのレッスンの流れ
・導入(挨拶、オンライン動作確認、持ち物確認等)
・ストレッチ
・アイソレーション
・コンビネーション紹介
・コンビネーション指導
・コンビネーション発表
・フィードバック
ストレッチ・アイソレーションは、講師がいくつか動きを変えていき真似してもらうという方法が主流でしょう。この際のポイントとなるのは、BGMとして流す曲をカメラから拾うのではなく音のみを共有する形で流すことです。
講師がスピーカーで流した曲をカメラのマイクが拾い、それを受講者に流す形ではどうしても音質が悪くなります。曲だけをPC上で共有した方が、良い音質で楽しみながらストレッチやアイソレーションを行えるでしょう。受講者もできればスマートフォンやPCのスピーカーではなく、ワイヤレスイヤホンを使った方がいいですね。
そして、メインのプログラムがコンビネーションと呼ばれる振り付けの指導になります。まず講師が曲に合わせて踊ってイメージを掴んでもらい、その後4カウントや8カウントずつに小分けにして教えていきます。つい手を叩いたり声を出したりしてカウントを取りながら踊りたくなってしまいますが、受講者の通信環境によっては講師の動きと音がずれている可能性があることを忘れないようにしましょう。
最後に曲を共有しながら繋げて踊ってみる発表の時間を取ります。受講者のダンス姿を録画する場合にはこのタイミングが良いでしょう。
その後、フィードバックを行います。『次回もまた受けたい』『定期的に受講したい』と思ってもらえるよう、振り返りはきちんと行いましょう。続きの振り付けを見せて次回予告をするのも集客に効果的です。
3-3 個人向けのオンラインレッスン
個人向けのダンスや振り付けのレッスンも人気が高まっています。経験者向けで、しっかりとうまくなりたい人に需要がありますね。
複数人向けのレッスンとプログラムの流れは同じでも、逐一受講者の動きを見てあげ、指導を挟むようにしましょう。一方的に教えるのではなく理解度を確認しながらコミュニケーションを取るところが個人向けレッスンの特徴です。
どんなダンスでも個人の癖というものが出ます。右手が勝手に動いてしまうという癖や、荒い振り付けなのに丁寧な動きになってしまう癖など、様々です。個別指導ではこういった癖を早めに見抜き、的確なアドバイスができると良いですね。
個人向けレッスンの場合には、レッスンの録画動画だけでなく予習のための予告動画を配布する講師もいます。次回レッスンのダンスを動画でもらい、時間があるときに確認したり練習したりできるからです。密度の濃い練習を行いたい場合には検討しましょう。
4 ダンス・振付のオンラインレッスンの事例紹介
4-1 ダンスインストラクターAKKODONさんのオンラインレッスン
実際にダンスのオンラインレッスンで講師として活躍されている、AKKODONさんの事例をご紹介します。
AKKODONさんはダンス講師としてテレビやラジオにも出演されており、プロとしてイベント出演、CM出演、バックダンサーの仕事などをされています。アメリカでヒールダンスに出会ったことから、日本でもヒールダンスやバーレスクダンスを伝えていこうと活動されています。
レッスンではダンストレーニング以外にも身体を鍛えるメニューが多く用意されています。月4回受講できるチケットをメインに、お試しレッスン用のチケットや12レッスン受け放題のチケットもあり、受講者のニーズに応えられるようになっています。入門や初中級など段階によって選べるのも良いですね。
また、赤ペン先生という仕組みも独自に設定しています。レッスンで行った振り付けを動画で送るとアドバイスを受けられるという仕組みで、手厚いサポートが人気の秘密でしょう。複数人向けのオンラインレッスンであっても個別向けのような対応を可能にしています。
ダンスや振り付けのオンラインレッスンをこれから開催したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
AKKODONさんのオンラインレッスンのホームページはこちらから
dancer / instructor / choreographer AKKODON
関連記事
あなたもなれる!オンライン講師
https://magazine.mosh.jp/entry/instructor/
【完全版】オンラインレッスン講座の作り方
https://magazine.mosh.jp/entry-concrete/how-to-make/
【ノウハウ】オンラインレッスンの事前準備をしよう!
https://magazine.mosh.jp/entry/preparation/
オンラインレッスンのために必要な機材・環境を整えよう
https://magazine.mosh.jp/entry-concrete/equipment-environment/
顧客管理をしてオンラインレッスンのリピーターを増やそう
https://magazine.mosh.jp/entry-concrete/customermanagement/
あなたの「好き」は仕事になる。
スマホで予約受付・事前決済・顧客管理まで、
サービス販売に必要な機能が充実。