クリエイター事例

元「シルク・ドゥ・ソレイユ​​」の筋肉系YouTuber・アクトレブログが直面した“オンラインサロン”の大きな壁とは

コロナ禍をきっかけに帰国を余儀なくされたという、元シルク・ドゥ・ソレイユ​​のパフォーマー・アクトレブログさん。

その鍛え抜かれた身体とマインドに魅了され、多くの人々が彼のYouTubeチャンネルに訪れています。

現在トップYouTuberへの道を駆け上がりながら、オンラインサロン運営にも挑戦中のアクトレブログさん。しかし、そこには思わぬ大きな壁がありました。

YouTubeを続けるのは絶対に無理。結局みんなやめてしまう

ーー改めて、アクトレブログさんのご活動内容を教えてください。

アクトレブログさん:
僕はもともとシルク・ドゥ・ソレイユ​​でパフォーマーをしていたんですけど、コロナ禍で日本に帰って来ないといけなくなってしまって。海外に戻るまでの準備期間として、YouTubeを始めました。

もともと、自分が何かをやりたいときに発信できるプラットフォームがほしいと思っていたのですが、まさかこれが自分のメイン事業になるとは思いませんでしたね。

ある日、チャンネル自体がバズって、1ヶ月で登録者数が20万人を超えたんですよ。

ーーそんなことが!

アクトレブログさん:
1本動画がバズっておわり、という人もいるんですけど、僕の場合は全部の動画がバズりました。というのも、僕は最初から一切手を抜かずに動画を作っていたからなんです。

どんなに再生回数が伸びなくても、諦めずにみんなが面白いと思う企画を考えて、見やすいように編集して、わかりやすいように話していました。

だから、1本が観られたタイミングで、すべての動画が観られるようになった。その波は今も止まっておらず、増え続けています。

ーーちなみに、YouTubeで成功した秘訣はどこにあったと思いましたか?

アクトレブログさん:
「トライアンドエラーを成功するまでやる」のはポイントだと思います。

結局みんな成功する前にやめちゃうんですよ。コロナ禍でまわりの人も一気に始めたけど、多分続いているのは僕だけなんで。

もちろん心が折れることは何回もありました。でも、やっぱり自分のなかにはプライドがあったんです。当時はシルク・ドゥ・ソレイユから、一般企業で働かなきゃいけないかもしれない状況に陥って、まわりの反応も変わったし、親からもどうするんだろうと思われていました。

だから、1万人でも2万人でも良いから、YouTubeで成功するんだと思いながらやっていました。成功のためには、とにかくやり続けるしかないと思います。絶対無理だと思いますけど…!

YouTubeをやっていなかったら、この先自分がしたいことも挑戦せず、つまらない人生を送っていただろうなと思うので、本当に続けてよかったと思いますね。今の夢は、世界をまわりながらYouTubeをやりつづけることです。

「好きじゃないことをする」ことで、夢を掴んだ

ーーアクトレブログさんの動画とほかの筋トレ動画との違いはどんなところにありますか?

僕の動画は「わかりやすい」とよく言われますね。一度その動画を観た人は、「知ったか」ができるぐらいわかりやすい構成や編集をするように意識しています。

たとえば、トレーニングにはそれぞれ名称があって、以前は調べて載せていたんですけど、あるときから載せるのをやめました。

動画を作りつづけるなかで、どうしてみんなが動画を観るかと考えてみると、腹筋を割りたかったり、身体を鍛えたかったりするからだと思うので、名前はそんなに重要じゃない。それよりも、見やすさや継続しやすさが大事だと気づいたんです。

そうやって僕は人より10倍20倍30倍以上もトライアンドエラーを繰り返しながら動画を作ってきています。

あとは、おうちでできるトレーニングを中心に上げていることや、僕自身がシルク・ドゥ・ソレイユに在籍していたこと自体に価値を感じてくれて見てくれている方が多いですね。

ーーアクトレブログさんのそのたくましい身体も筋トレ動画に説得性を持たせる要因のひとつですよね。

アクトレブログさん:
そうですね。でも、実は僕は筋トレがあまり好きじゃないんですよ…(笑)。

もともとここまでバキバキじゃなくて、ちょっとムチムチしていたぐらいの体型でした。筋トレって大変なんですよ。時間もお金も労力もかかるから。

でも、YouTubeでいろんな人に観てもらうためには、まず自分がバキバキにならなきゃ説得力がない。だから、トレーニングの方法も学びましたし、今も目標とする体脂肪を目指すうえで必要なことを日々勉強しています。

「好きじゃないけど、好きじゃないことをする」ことによって、僕は夢を掴んだんです。

ーーアクトレブログさんが筋トレに苦手意識があるからこそ、返って筋トレが苦手な人にも刺さるようなわかりやすい動画が作れるのかもしれませんね。

アクトレブログさん:
そうですね。筋トレメニューを作るときもそうです。たとえば、股関節のストレッチは女性に人気のジャンルではあるけど、僕が教えるよりも女性が教えるほうがいいと考えています。

自分の好き嫌いじゃなくて、どのコンテンツを上げるとみんなが喜ぶかを考えながら動画を作っています。

価格設定、ファンとのコミュニケーション…オンラインサロンの難しさとは

ーーそんななかで、オンラインサロンにチャレンジしたきっかけは何だったんですか?

アクトレブログさん:
ファンの方同士でコミュニケーションが取れたり、僕がオフ会を開いたりグッズを発売するときに報告ができたりすることがオンラインサロンの魅力だと思ったので挑戦しました。

オンラインサロンでは個別指導をしたり、週1回オンラインサロン限定動画を出したり、プロテインをプレゼントしたり、できるだけメンバーを満足させてあげたくて奮闘しているところではありますが、やっぱり難しいと感じる場面が多々ありましたね。

たとえば、今は月額1万円でやっているんですけど、僕のファンは若い男性が多いので、価格設定はきちんと考えなければいけないポイントだと感じます。

YouTubeは無料で観れて、無料で学べるのがメリットですよね。一方で、1万円のオンラインサロンは少しビジネス感が見え隠れしてしまう。以前、「YouTubeで成功する方法を教えます」というのをやりましたが、ファンにはあまり良い反応をもらえなくて。

だから、価格をもう少し下げることも検討しています。僕の主な収益源はYouTubeなので、オンラインサロンはお金のためというよりも、ファンとより深く交流していける場にしていきたいですね。

ただ、Zoomだけでは少しコミュニケーションが取りづらいとも思います。なかには顔や声を出したくない人もいるので、参加している人同士でコミュニケーションができるツールは必要だと思うんです。

たとえば、「筋トレ」って基本的には自己満足だと思うんですよ。まわりからよく見られたい、褒められたいという気持ちが少なからずある。でも成果が出るまでがしんどい…というときに、メンバー同士で今のトレーニングの状況を報告しあえたり、励ましあえたりできる仕組みは必要だと思います。

それらができないなかでも、なるべく1時間で満足してもらえるようなコンテンツを提供するために、あえてほとんど喋らずにレッスンをすることもあります。せっかくお金を払っているのだから、喋っている時間がもったいないかと思って。

でも、みんなが求めているものはバラバラだと思うし、もしかしたら僕と話したい人もいると思うので、オンラインサロンも試行錯誤しながらやっていく必要があると感じますね。

ーーやる前後でギャップがあったと。実際にメンバーからはどんな反響がありましたか?

アクトレブログさん:
もちろん結果は出てる方はたくさんいます。筋肉がついたり、ダイエットに成功したり。そもそも自分でできる人は、オンラインサロンに入らなくてもYouTubeを観るだけで良いんですよ。

ただ、うちは決して安くない値段なので、意欲的に参加してくれたり、結果を出さなきゃと思ってくれたりする人が多いですね。

どうしてもひとりではサボっちゃうという人にとってはオンラインサロンは有効だと思います。

・・・

日々鍛錬なトレーニングを積まれている方は、「筋トレ」そのものが好きなのだと思い込んでいましたが、まさかの「筋トレが苦手」という発言に驚きました。

「YouTubeは難しいので、僕のように成功できると思って始めないほうが良いですよ」とのことですが、その徹底した視聴者目線と継続力は到底真似できるものではない。

多くの方が彼を支持する理由は、「わかりやすさ」だけではなく、そのストイックな姿勢にこそあるのだというのが垣間見えた取材でした。

・アクトレブログさんのYouTube
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